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● マラソン 今、マラソンの中継を観ている。2時間ちょっとで42.195キロを走りきってしまうスピードと スタミナに感心する。また、選手は週に100キロ、200キロの練習をするという。日頃測量以 外には何も動く気もなく、特に日曜日ともなると家庭の粗大ゴミである私にはまさに驚異の練習 量である。競技の運営も非常に円滑に運営され、テレビで観戦していても観戦の人たちへの 規制、通過時間の表示等、何も落ち度がない。すばらしい運営である。感心しながら観ている とアナウンサーが興味深い話をしていた。42.195キロの距離の測定について、ちょっと前の 外国のマラソン大会で参加者の記録があまりにも良すぎて、距離が短いのではと問題になっ た大会があったが、どうもその大会は車の走行メーターで距離を決定していたとの事。 しかし、日本の大会については車道の白線から1メーター外側を巻き尺で測定していくから間 違いはありませんとの事。「へぇ〜、大変だなぁ。42.195キロ測るのにどのくらい時間がかか るのかなぁ」こたつの中に潜り込み、頭だけ出してぼんやり思っていた。 ● ドスン 突然、我が家の末っ子のやんちゃ坊主が「お父さん、遊ぼ。」と背中にドスンと乗っかってき た。途端に目がさめた。目がさめたと同時に疑問が湧いてきた。光波測距儀は使用しないの か。何メートルの巻き尺で測定するのだろうか。何回の往復の測定なのだろうか。何キログラ ムの張力なのだろうか。そしていくらくらいの誤差が許されているのだろうか。また、検定は受 けているのだろうか。ちょっと天の邪鬼なのか考えてしまった。しかしまてよ、私も先日新しい光 波測距儀を購入して、以前、測量した現場の隣接地の測量に出かけたところ、現場には以前 測量した機械点の鋲や境界の標識はすべて残っており、移動した形跡も無い。「しめた、追加 の部分だけ測ればいいや。」取り敢えず、移動していないかどうかのチェックだけはしておこう と残っている機械点に機械を据えて2、3の境界点を観測し、持参していた以前の観測データ と比較してみる。「あれっ、水平距離が全部1センチ近く相違するぞ、角度はほとんど10秒以 内の相違なのにおかしいなぁ」ひょっとして以前の測量が違っていたのだろうか。いや全点の 辺長のチェックを実施し、許容誤差内で誤りはなかった。それでは新しい光波測距儀がおかし いのだろうか。いや業者が持参したばかりであり、念のため同一距離を鋼巻尺で比較してチェ ックしてもほとんど相違は無かった。 ● 最大較差 どうも、これは機械の持っている距離測定の誤差のあらわれかたが両極端に出たために起 こった誤差のようである。光波測距儀は私の古い機械であれば5mm±5ppmの測定誤差が あり、今度購入した新しい機械は3mm±2ppmの誤差があるそうである。これは機械の固有 な誤差であり、単純な計算で誤っているかもしれないが、同一条件で観測した値について二つ の機械による最大較差は 8mm±√((5)2+(2)2)ppm =8mm±√29ppm ≒ 8mm±5ppm の誤差があらわれる可能性がある。これはちょっと気になる誤差である。日頃、自分の機械は 本当の値から、いくら相違するのかを知っていれば、他人の測量現場で観測のデータの相違 があっても、「ああ、これは誤差だな」と解るし、それ以上であれば観測の誤りであると知る事 が出来、むやみに他の調査士を疑る事はなくなる。 また、公共測量を行うに当たっては事前にこの差をチェックする事が義務付けられているよう である。我々調査士も使用している機械については気をつけて出来るだけの事をしたいもので ある。
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