高岡町基準点設置作業 10

              ( 2人でひとつ )



   平成20年11月11日は朝一番で法3−27と法3−28を設置した後、TSを通常よりも高く上げて

  観測する必要のある場所と、再測量を必要とする場所での観測である。


花魁三脚

   迷惑おっさんが石突の無い、三脚を取り出している。

   更に、その三脚の予備なのか、本来2本組みの三脚の石突のついている部分の脚が3本ある。

   この間、三脚がぐらぐらするので石突の部分をチェックしたら、木脚の隠れた部分が腐ってい

  たと話していた。


   脚を業者に注文したと言っていたから、ここで付け替えるのだろうと思ってみていると脚と脚を

  重ねて金具で止めている。

   S松さんがボソッと「出た。花魁三脚」とつぶやいた。

   「なんじゃ、それ。」


   老眼おっさんには何の事か解らない。

   どうやら、老眼おっさんが図根多角点測量を欠席した時に初お目見えした秘密兵器らしい。


   コンクリート擁壁とブロック塀の間にある1センチほどの段差に脚を設置しなければならず

  石突の踏み込み部分が邪魔になり、うまく石突部分を設置できず、ずり落ちるようになってしまう。


   かといって、水路の中の部分に脚を入れると、TSの観測位置の高さが4方向を見るには不足

  することになる。

   「脚、反対にしたらいいが。」

   老眼おっさん、思わずいらぬ一言。

   「ほうじゃね。」


   迷惑おっさん、えらく素直に脚の一方を反対向きに接続した。

         

        1本だけ脚が反対向き        金具が花魁のかんざしにみえる



   観測手の測量屋さん

   「しまった。ここは背の高いN本さんに観測してもらうんだった。」

   脚立を観測方向に都合の良いように並べ、脚立の上で爪立ちながらも4方向の観測を1発で

  無事終了した。

   高い位置での観測が必要な場合は、これまでの経緯からGPS測量用のスカイレッグを使用す

  るものと思っていた。


   だがスカイレッグにTSを乗せて観測するには今ひとつ安定せず、迷惑おっさんが知恵を絞った

  ようだ。

   木脚の石突部分が腐っていたことがこのような発想に結びついたのだろう。

   さすが、転んでもただでは起きないゴ〇ラ。


   いえ、迷惑おっさん。


再びT4104、2人で一つ

   T4104での再測量を行う。

   どうもコンクリート枡自体が不安定な状態で、観測によって人の体重が移動することで微妙に

  ズレが生じている。

   そこで、4方向の観測について、観測に必要な位置に人を固定し、観測の為に地盤の移動が

   ないよう注意して観測することになった。


   一人2方向の観測で、一連の観測の中で、自分の観測がどの順番であるのか理解しているもの

   でないと観測することが出来ない。


   更に、その観測結果を10秒の制限に入れる。

   全員が息を殺し、じっと見守る中で観測が10時53分開始される。

   観測する2人に、ものすごい重圧。


             

      邪魔をしているのではなく、体重移動が無いようにして2人での観測


   お互い、最初の観測位置を移動する事無く観測は進められる。

   11時04分観測は終了。

   S松さんの観測結果を読み上げる声が響く。

  「4秒・6秒、5秒・1秒、7秒・1秒、定数差11秒、大丈夫です。」

  測量屋さん、「よかった。」悲鳴にも似た喜びの声。


写真にかける

   そんな測量屋さんと迷惑おっさんの観測中に、ホワイトボードに図根多角点名を入れて遠景を

  取っている人がいた。

   踊る調査士こと荻やんである。

   今回、高岡町法14条地図図根多角点の「点の記」の写真撮影と図根多角点の点名書きを一手

  に担っている。


   しかも、「点の記」の写真撮影ではTSが設置された状態での撮影に拘っている。

   日頃、エアロビックスで鍛えているだけあって、2班に別れて観測中のTSの間を、ホワイトボード

  文字盤、写真機をぶら下げながら歩き回る。

   その運動量の多さは、11月だというのに作業服の背中はいつも汗で塩を吹いていた。

   原動力は、人の二倍の食欲かも・・。

   何せ、昼食の弁当の飯の分量はすごい。


   本当にお疲れ様。


          

                  撮影中の荻やん



花魁三脚でも

   ここも、4方向の観測、フェンス越し、ブロック塀越の関係から、どうしても高さが必要になる場所。

   足場も悪く、登ったり降りたりする観測は、観測の移動中に脚を引っ掛ける可能性もあるし

  まず観測制限には入らないであろう場所。

   今度は迷惑おっさんとN本さんの組み合わせで4方向の観測となった。

   足場が悪く、脚立の位置でそのまま観測出来る位置のときは良いのだが、ブロック塀に自分の

  足を掛け、片手でフェンスを持ち自分の身体を支えながらTSに体重がかからないように、身体に

  も首にも力を入れての観測。


  迷惑おっさんに至っては脚立の上でとぐろを巻くように上体をぐるっとねじっての観測となった。


  当然、相手の観測中は邪魔にならないよう、じっとしていなければならない。

  4方向の一連の観測の中で一人が2方向を受け持つのだから、TSの反転、観測順序も間違え

  てはならない。


  観測のリズムを崩せば、直ぐに再測が待っている。

                  それぞれの方向への観測です。
         

        正で第1方向         正で第3方向       反で第4方向


   観測の名手のN本さんでさえ、重圧に耐えかね、自分の観測が終わると思わず、目を閉じ

  両手を合わせた。

   観測終了。

   大丈夫・・・。観測バッチリ。


図根多角点T4183

   ここも足場が悪い、花魁三脚を使用しての3方向の観測である。

   三脚の2本の脚は田の中に、もう一本の脚はコンクリート水路の端にあり、観測者の足場は

  脚立の上であるが、田の土が柔らかいため、脚立の脚がめり込み、観測者が安心して観測する

  状態になるように脚頭が水平にたたない。


   お隣にあったコンクリートブロックをちょっとお借りして脚立の下に敷き、横にいる測量屋さん

  が足でコンクリートブロックを固定しての観測となる。


   水平の高さの観測はさほど怖くないが、足場の不安定な状態で下を向く恐怖感から、ただで

  さえ難しい観測を更に難しくする。

  ここは迷惑おっさんが観測をする。

   さすが、迷惑おっさん一発OK。

         

               足場の悪いT4183での観測


    今度は、TSの下盤を残し図根多角点T4216に向けターゲットに据え直す。

図根多角点T4216

   ここは「N本さんも再測したいところがあるだろうから。」と迷惑おっさんが言っていた場所。

   子供たちがたくさん居た遊園地のような団地で、懐中電灯で目標を照らしながら観測をした

  場所、図根多角点T4216である。


   観測点からは2方向とも障害物があり、視準点は高く上げなければならない場所である。

   観測は1班の予定であり、ターゲットは1つしかない。

   図根多角点T4183で既に使用している。

   もう一つの方向の図根多角点T4215を視通するにはブロック塀が邪魔をしている。


   ピンポールを使用して、ミニプリズムを高くあげる必要がある。

   TSは2台あった、そこで図根多角点T4215にまずTSを据付た後、ミニプリズムをピンポールに

   設置し、TSの求心を利用してまっすぐ立てた。 


    図根多角点T4215を視通するのに、ブロック塀の上にある松の小枝が邪魔になり、障害物

   対応係が押さえる。


    観測は当然、N本さんである。


    観測も気合が入り、バッチリの観測。

                

             TSの求心を利用してピンポールをまっすぐに


●再測したT4104の手簿




●上と同じ観測点を点検測量で愛媛会でも屈指の名手N本さんが
 観測した手簿





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