高岡町基準点設置作業 9 ( 観測は続く ) 建標承諾 迷惑おっさんと測量屋さん、朝方調査士会館の駐車場で安全靴を履きながら話している。 「建標承諾取れた?。」 「はい。もう少しかかると思っていたんですが、昨日法務局の表示登記 専門官から取れた という連絡がきました。」 どうも、法3−27と法3−28の事らしい。 3級基準点を2点設置予定になっているが、図根多角点の観測が開始されても、まだ2つの 3級基準点が設置されていない。 当然それに関連する図根多角点の観測もされていない。 公共測量になるので、届出の為には段階を追い、各種の必要書類があり、迷惑おっさんと 測量屋さんが、法務局と交渉しながら進行してくれている。 観測現場の処理だけでも大変な状態なのに頭の下がる思いである。 次週には、3級基準点法3−27、法3−28を設置することになるようである。 ある測量者 小学校近くの街区多角点近傍の位置で、作業服を着た同業者と思われる人が測量をしている。 調査士さんであれば、後々の事もあり街区多角点か図根多角点を使用して測量しておくことを 勧めておかなければならない。 迷惑おっさんも恐らく同じ事を思ったのだろう、そちらに行って話しかけている。 遠目で見ていると、観測方法からしてどうも同業者ではないようだ。 TSの本体を片手で握りしめながら、ずっと観測している。 迷惑おっさんが戻ってきた。 「任意座標の極地よ、石頭を逆さにして柄の部分の底にマジックで印をして、それを求心して いたよ。」 荻やんも顔見知りのようでお互いに話し合っていた。 「道路との境界が解らないんだけど、道路後退線はどこか聞かれたよ。建物を建てるための 測量と言っていたけれど、図面が一人歩きするんだよね。境界確認の無いあのような測量の 成果図面が、後日土地の図面があると言って境界紛争の時に出てくるんだよね。怖いなぁ。」 トラブル 測量屋さんはデータコレクターを使用、N本さんは自分のTSに直接データを取り込む形で観測 を行っている。 この日、N本さんにトラブルが・・。 そろそろお腹の虫が騒ぎ出す、昼休みも近くなった頃。 突然、N本さんのTSが動かなくなった。 全く観測データを記憶することが出来なくなった。 どうもデータ量が器械の記憶容量を超えたようだ。 記録されている古い現場を削除して、新たな観測データを記憶させようとするが、距離の表示が おかしい、数字が2桁ほど相違するデータに化けているようである。 小数点の位置が相違して表示されているようだ。 皆が騒ぎ始めるが、測量屋さん一人だけ、 「T社の器械でしょう。電源を切ってしばらく休ますと直りますよ。」 と平然としている。 しかし、電源を切っても直らず、ついには販売店の営業担当者を呼び出し対応してもらうことに なった。 すぐに担当者は現場に駆けつけ、記録しているデータをパソコンに取り込んだ後、TSの記録を 初期化してもらったところ正常に動き始めたのだが、 「この手の器械は7年もすると交換の時期なんですが・・。」と営業担当者、N本さんに暗に買い 替えを勧めたようだ。 取り付け点30A90 3A126と3A122から方向角の取り付けの為、街区多角点30A90を観測した。 街区多角点30A90にターゲットを据付、3A122からは測量屋さんの観測、3A126からはN本さん の観測である。 まずは3A122の測量屋さんの方向にターゲットを向け観測終了後、3A126のN本さんの方向に 向けて観測は順調に終了した。 しかし、後日この街区多角点を使用して測量したY内さんから連絡があって、高さで4p、水平 位置で2pの位置誤差があったらしい。 街区多角点30A90は、コンクリート枡に設置してある。 南北に走る道路と、西側から交差する道路の三叉路である。 南北に走る道路は、この三叉路から南側の道路は広く4m幅、北側は3m幅、西側からの道路 も3m幅である。 いずれの道路も最近の下水道工事の為、アスファルト舗装が1mほどの幅で新しくなっている。 しかし、三叉路の中はアスファルト舗装全体が新しくなっている。 その中にコンクリート枡があり、コンクリート枡には準拠点鋲と街区多角点が隣接して設置して ある状態である。 西側の民地については平成13年に分筆され、民地側には調査士会会標が設置されている。 提出された地積測量図には会標の外、コンクリート枡にある準拠点鋲も記載されている。 街区多角点は平成18年に設置されており、点の記の写真には準拠点鋲も存在しており、現況と 一致している。 しかし、準拠点と会標との位置関係は1p程度の相違があるらしい。 民地側のコンクリート製のL型側溝は、街区多角点設置以降に新しくなっているようである。 問題のコンクリート枡は道路右側の電柱の前にある ![]() 手前の会標と準拠点のあるコンクリート枡 コンクリート枡にある街区点と準拠点 基準点間の水平位置の相違が2p程度、境界標識と準拠点との位置関係が1p程度であること から、どうにも微妙な相違である。 単純な誤差なのか、移動なのか解らない。 測量屋さんは「高さで4cmも相違するのだから、絶対移動している。」 と主張するのだが、現況の周辺の様子からは移動しているように見えない。 原因が明確にならないと何とも判断に困る。 どうも下水道工事の前から設置してあったコンクリート枡を下水道工事の為に一時撤去して 工事後新たなアスファルト舗装工事の舗装の高さに合せて、もう一度コンクリート枡を同じ位置 になるように設置し直したようで、何とも判断に困る事になったらしい。 驚く事にこれは通常行なわれている工事方法のようである。 おめでたいこと 午後4時丁度、T4330の場所にいたK谷さんの携帯電話が鳴る。 顔がほころんでいる。 観測が開始してから、皆が気にしていたことがある。 平成20年10月29日、土地家屋調査士の1次試験合格発表の日。 手ごたえがあったとは聞いていたが、合格発表がある迄はどうなるか解らない。 合格発表は友人が法務局に確認に行き、そこから電話連絡をしてくれたものらしい。 そんな様子から、1つ離れたT4331にいた私も思わず拍手。 K谷さんも気づいて、嬉しそうにこちらにペコリと頭を下げる。 気が付いた皆から「おめでとう」の言葉が掛かる。 彼にとって忘れることのない日になるだろう。 |