高岡町基準点設置作業 6

              ( 器械の点検 )



自社器械検定開始

   平成20年10月4日の土曜日、基準点の埋標がほとんど終わり、高岡町の現場から戻り

  会館近くの蕎麦屋で揃って昼食を済ませた後、それは始まった。

   会館の駐車場に各自持参のピンポール、ミニプリズム、1素子ターゲットがずらっと並べられる。

   今回の基準点設置作業で使用されるTSは、既に業者による検定済みの迷惑おっさんと

  N本さん所有の器械である。


   駐車場の入り口あたりに迷惑おっさんが小さな鋲を打った。

   それから30mほど離れた駐車場の奥まった場所に迷惑おっさんとN本さんのTSが並んで

  据え付けられた。


ミニプリズムの距離確認

   2mほど離して据付けられた迷惑おっさんとN本さんのTSから、鋲の位置に立てられた1本の

  ピンポールの一番下に設置されたミニプリズムまでの距離を、それぞれのTSで順番に観測する。

   迷惑おっさんが「33m356、33 m356」と2セットの距離観測を行った後、今度はN本さんが

  「33 m387、33 m386」と2セットの距離観測を行い、ミニプリズム毎に記録していく。

   ほとんどが同様の値になるのだが、「33 m358、33 m357」、「33 m388、33 m389」とやや異なる

  値のミニプリズムが出現する。


   今回の基準点の点間距離は近い距離が多く、観測精度を上げるためにも機械類の点検を

  やりすぎることはない。

   すべてのミニプリズムが一通り観測を終了した。

   面倒くさい事の嫌いな、いや緻密な作業の出来ない老眼おっさん、気を利かしたつもりで片付

  けにかかろうとする。


   「そのままの順番でミニプリズムを置いておいてよ。」

   迷惑おっさんの指令が飛ぶ。

   ミニプリズムは横一列にして観測の順番に並べている。

   「今度は反対から順番にミニプリズムを設置してくれる。」

   と再び迷惑おっさんの指令が飛ぶ。


   迷惑おっさんとN本さんのTSの下盤部をそのままに、上盤部のみを入れ替え、観測手も

  位置を交代した。


   ミニプリズムは最後に観測したものから順番を逆に、再び観測が始まった。

   「33 m387、33 m387」、「33 m356、33 m356」、各自2セット毎に読み上げ、記録していく。

   全部のミニプリズムを逆の順番で観測すると、やっぱり、少し距離の相違するミニプリズム

  がある。

   幸いにも、ポンコツ測量器械の収集が趣味と思われている老眼おっさんのミニプリズムもな

  んとか使えるようだ。


ピンポール

   観測に使用するピンポールも確認される。

   曲がりの無いものであるかどうか。

   紅白のペンキで塗られたものについては、ペンキの磨耗のないものが選ばれる。

   老眼おっさんの日常使用しているピンポール2本を出した途端。

   「あっ、それ駄目。汚れてる」あっさり却下された。

   ならばと、最近購入したばっかりの一切使用していないピンポールを出す。

   「これは、いいが。紅白の区別も5センチ間隔でわかりやすい」と一発OK。

   珠には、老眼おっさん所有のものにも使えるものがあるのだ・・、でも・・。


目標板と1素子ミラーの芯が一致するか

   迷惑おっさん、今度は駐車場の奥の位置に小さな鋲を打ち、その位置を中心に90度開いた

  3mほど離れた二方向にそれぞれTSを据えた。

   TSはまず、鋲の中心を視準している。

   続いて、鋲の位置に三脚、整準台が設置され、注意深く水平に設置され求心もされた。

   次に、それぞれの1素子ミラー、目標板が設置された。

   1方向目のTSに視準を合わせる。


   1方向目のTSから、まず鋲の位置とミラーの芯が一致しているか確認、さらにその芯と

   目標板の芯を表わす印、特に水平位置が合致しているか確認する。


   続いて2方向目のTSに視準を合わせ、同様の確認を行った。

   鋲とミラーの芯は問題なく一致するのだが、ミラーの芯と目標板の示す水平位置が厳密に

  いうと一致しないのだ。


   私のポンコツターゲットは、当然一致しているはずが無い。


   普段の観測経験から、一致していないのは知っている。

   今回の点検は、私の分は論外と内心思っており、最初からやる気が無かったのだが

   他のターゲットも一致しない。

    「近すぎるからなぁ。近距離用じゃないんだよなぁ。」と迷惑おっさんのため息。


          

       目標板の三角形の頂点が現す位置とミラーの芯は一致していますか。


   何とか、T永さんと、K石さんのターゲットだけは、そのズレが比較的少なかった。


   今回の近距離が多く、しかも精度を追及する観測では、この2つのターゲットのみを使用する

   ことになった。

     (注:この記載はターゲットの使用を否定するものではありません。今回は近距離の観測が

     多く厳密な精度も要求されている為にこだわっています。通常の業務であれは迷惑おっさん

     のターゲットでも支障は無いと思っています。)


ミニプリズム気泡管確認

   整準台の水平に設置されていることを慎重に確認した後、気泡管調整治具をつけ、ミニプリ

  ズム附属の気泡菅を確認して調整していく。

   気泡管のねじを調整して、狂った気泡を調整していた迷惑おっさん。

   「老眼おっさんのおかしいよ。」

   いつも、いつも、ポンコツ測量器具を使用して、皆に笑われているのだがミニプリズムがおかし

  いとなると問題である。

   「ピンポールを通すミニプリズムの穴が緩くなっていて、締め付け方によって気泡の位置が

  違ってくるよ。」

   納得。10年以上も使い続けている愛すべきミニプリズムである。

   磨耗もあるだろう。

   老眼おっさんの頭のてっぺんも磨耗してきた。

   50年以上使用しているのだから多少の磨耗は仕方がない。

   お互い今まで良く耐えてくれた。



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