高岡基準点設置作業 5 ( 下水道工事・図根多角点鋲の設置 ) 平成20年10月3日、選点が一応終了し、本日からは図根多角点を設置していく。 1輪車を先頭に、手にはドリルを持ちながらの行進である。 1輪車にはセメント、タガネ、石頭、替えのバッテリー、図根多角点用の座、鋲、そして ペットボトルに入った水を積んでいる。 図根多角点・ステンレス製の座 図根多角点には登記基準点と刻印されたステンレス製の座と8センチの長さのステンレス 鋲を使用している。 図根多角点の予定位置であるチョークの場所に刃先の径6.5ミリを使用してドリルで穴を開け 登記基準点の刻印のあるステンレス製の座をつけ、鋲を打ち込む手はずなのだが、そのまま 素直に実行しない迷惑おっさんである。 今回も何やらやっている。 ドリルで開けた穴の周囲を円錐状にタガネで広げ、ホースを使って息を吹き込み穴の中に 詰まったコンクリートくずを噴出した。 今度は、ステンレス製の座を石頭で叩き、盛り上がった部分を水平にしている。 穴の部分をタガネで削ったのは、座の部分の鋲を受けるためにある下側の膨らみの部分が 入るように削ったようだ。 おもむろに鋲に座をつけ、打ち込むと図根多角点の鋲はコンクリート部分と平坦になった。 図根多角点の座とステンレス鋲 ![]() 通常の座 叩いて平たくした座 ![]() 設置された図根多角点 以降、この方法が取られることになる。 図根多角点・ステンレス製鋲 通常5pのステンレス鋲が使用されている。 今回、図根多角点に使用されている鋲は8pのステンレス鋲である。 ドリルで穴を開け、打ち込むのだから問題が無いように思うが、通常よりも長い鋲であり ステンレス鋲特有の柔らかさが我々を困らすことになる。 ![]() 上が通常使用する鋲、下が今回使用した8cmのステンレス鋲 石頭がまっすぐ鋲に当らないと不気味な音がして鋲が穴の途中で止まってしまう。 それでも打ち込むと鋲は松の木のようにグネッと曲がってしまうことになる。 各人注意をしながら打ち込むのだが、中途半端な力で叩き込むと不気味なグキッという音が すればそこから穴に入り込まなくなり、曲がり始める。 思い切り叩き込むとうまく当り、快適な音とともにスッ、スッと入り込むのだが、それは「叩く」 というよりも「しばき倒す」という表現になる。 「しばき倒す」のは迷惑おっさんとN本さん。 「叩く」のは測量屋さんと老眼おっさん。 その理由は・・・。 老眼おっさんは家庭円満とだけ言っておこう。 下水道工事 図根多角点の為に道路内のコンクリート構造物に8センチの長さのステンレス鋲を入れる。 設置の為にコンクリートにドリルで穴を開け、石頭でしばく。 なんともろい。 ヒビが入り、周りが欠けていく。 石頭で軽くコンと叩くと、ポロッと欠けてしまう。 「あれっ、やばい。」 30年前に開発された団地だから、構造物そのものが老化している。 こりゃいかんと修理の為に、インスタントセメントで補修をする。 道路のL型側溝も砂のようになっている、そのまま打ち込んでも固定出来る訳もなく、穴を 掘り図根多角点の鋲をインスタントセメントで固める。 連続してそんな事が続くと、じっと見ていた近所の奥さん。 「家の前の道路のコンクリート部分にもヒビが入っているので修理してくれませんか。」 「はい、直しましょう。」迷惑おっさん、残ったセメントを持って修理を始める。 しばらくは、ご近所の奥さん方からの修理依頼が続く。 とうとう、「下水道工事関係者の方ですか。早く、ここ直してくれませんか。」 「いえ、私達は地図を作るために基準になる点をどこにするか調査しているんです。」 「地図はあるんじゃないの。」 「今度、法務省が作る事になりまして。」 「へぇ〜。そうですか。下水道も3月から工事をすると言って、まだ工事してくれないのよ。 早く工事するように言ってくれません。」 「いえ、私たちは市役所の者ではないんですよ。」 ![]() コンクリート構造物が古い コンクリート構造物が無い いくら古くて脆いコンクリート構造物でも、ある限りは利用できるのだが、図根多角点を設置し ようとしても何も無い場合はどうしようもない。 視通の関係や、1筆地を観測するために、どうしても必要な位置で構造物が何も無いところに ついては、8センチのステンレス鋲を固定することが出来るよう、アスファルト舗装に直径10p 深さ15p程度の穴を開け、セメントで固定することになる。 コア抜きの刃先を用意していなかったため、刃先6.5センチを使用してドリルで円を描くように 5,6箇所穴を開け、タガネで形を整えるように ハツリ、アスファルトの破片をスプーンで掻き出し ていく。 時間的には1箇所30分程度の所要時間になるが、慣れてくると二人で1箇所の受け持ちで 分担して一斉に取り掛かる。 ![]() アスファルト舗装に穴を開け、セメントで図根多角点を固定する コンクリート構造物が無くても、汚水枡や水路のグレーチングが設置されている場所は それを利用することにした。 これらは、アスファルト舗装の下に大きな構造物があるので、アスファルト舗装部分を取り 除き、構造物にセメントを利用して直接図根多角点を設置していった。 ![]() 構造物がある場所では、アスファルト舗装を除き、構造物に直接セメントで固定 ところが、住宅地の横の里道の部分なのだが、住宅地との間に軽い段差の石積みがあり 里道を挟む田んぼに排水の穴が開いている。 見るからに水道管等の引き込みがありそうな場所である。 以前、5pの鋲を打ち込んだだけで水道管を打ち抜いてしまった苦い経験がある迷惑 おっさんとしては、ドリルを使用して一気に10pの深さの穴を開けるには判断に苦しむ 場所である。 恐る恐る、穴を開けていく。 普通の場所だったら10〜15p程度までアスファルト舗装があるのだが、5pほどでアスファ ルト舗装が無くなっている。 そこからは慎重にスプーンで土を削っていくが、さくさくと簡単に削れてしまう。 1回、工事の為に削った後なのだろうか。 更に慎重に、ドリルやタガネを使わずにスプーンで掘り進む。 気が付くと、深さが20p以上になっている、慌てて土を戻し固めた。 図根多角点T4221でした。 ![]() アスファルト舗装の下には何かありそう 図根多角点T4221 アスファルト舗装の無い場所については、プラスチック杭を利用していく。 境界標識の設置の要領である。 60センチのプラスチック杭の長さの穴を掘り、大量のセメント、砂利、砂を使用して プラスチック杭を根巻きして固定する。 こうなると、下水道工事のおじさんと言われても仕方がない。 ![]() 舗装のされていない里道はセメントで固定したプラスチック杭が図根多角点 採算合わんで 地域をぐるっと周り、車を止めたミカン山の農道が見える場所にアスファルト舗装のされた 市道から1本の侵入路を中心に山沿いに向かって10軒ぐらいの建物が並んでいる。 ミカン山の農道の基準点から、市道に向かっての路線の為に、この侵入路の視通の良い 場所に図根多角点を設置しなければならない。 住民の方にお断りをしながら、舗装のされていない進入路の位置にプラスチック杭をセメント で巻き固定して図根多角点にすることになった。 セメントを練る者、穴掘りをする者、手分けして作業を行った。 穴掘りをする者は水道管に当たらないように注意深く穴を掘っていく。 そんなところへ、進入路の入り口付近に住む方が、下駄ばきでやってこられ「大変じゃなぁ この暑いのに。水がいるようやったら、家の水道使っていいよ。何しよんで。」 「地図を作るための準備作業をしてます。」 「そうかな。このあたりは地図が悪いそうなな。」 「これからは良くなりますよ。」 「ワシャ、土建屋じゃけど、あんたらこんだけ大勢かかって効率悪いのオ。採算合わんぜ。」 絶句。 確かに、そのとおりなのですが・・・。 本日は下水道工事屋さんです。 迷惑おっさんに頼りっぱなしの我々でした。 |