|
我々は調査、測量した土地に永久境界標識を入れます。 しかし、永久といえども破損することも、撤去されることもあり、後日その位置を復元しなけれ ばならない場合があります。 その場合に筆界点、トラパース点、準拠点の内どれか2点が残っていれば復元できるわけ ですが、残存点の位置、又は、その種類によって復元結果が左右されることになります。 別紙測量図において、筆界点K5〜K7の境界杭が亡失した場合、その復元は任意の基準点 よりK15,K16の測角、測距を行いK5、K12を新座標に変換して行いますが、K15、K16の点間 距離がちがえば距離比率(K)が復元点の誤差に大きく影響してきます。 基準点から復元点までの距離が遠くなるので、K7〜10では誤差が微量でもK5、K12では大き くなってしまいます。 もうひとつ問題になるのが基準点を押さえるミラーの据え付けによるズレである。 例えば、K5、K16の距離が同一で(K)=1であっても、基準点の押さえ方によって、そのズレ が復元点全体の回転角(W)に加わるので、一筆地の辺長、面積に誤差がなくとも、全体に同 一方向へ基準点を軸として回転してずれる可能性があります。 この場合も基準点からの距離が遠いほど復元点の誤差が大きくなります。 では、これらの誤差を少なくするにはどうすれば良いかということになりますが、筆界点、トラ パース点、準拠点の設置方法を考える場合、重要なポイントはその保存性、一筆地との位置 関係、標識の種類である。 保存性については筆界点の境界杭が管理上から一番永久的であり、その反対が道路上に 打つケースの多いトラパース点である。 準拠点はいうならば控えの点であるが、将来的には本題の座標変換に用いられるケースが 多くなるので測量器械据え付け場所としてではなく、保存性を第一に考えるべきである。 次に一筆地に比べて基準点の点間距離が著しく短く、片寄っている場合には、復元される点 の誤差が均等にならないので、一筆地とのバランスを考え一筆地を囲むような形、あるいは各 復元点に対し、準拠点からの距離がなるぺく等しくなる位置を準拠点として選点することが望 ましい。 最後に、標識の種類であるが、準拠点を例にとると例題のように建物やブロック塀といった 構造物の角をおさえる場合も多くあります。 これは地上の点より鉄筋コンクリートの建物の方が保存性が高いからです。 この場合は直接金属鋲の十字線が見えるケースと違って、建物の角など若干の丸みがあっ たりして、ミラーの押さえ方もその時々で違ってくるはずである。 よって建物やブロック塀の角同士の距離が一致して距離比率(K)=1となっても、押さえる位 置がずれていれば回転角(W)によって復元点に誤差が生じてくるので考えものである。 以上のように細かい事を言うとキリはありませんが結論として、筆界には可能な限り境界標 を入れ、それに加えて準拠点も多くとっておく(地積図に記載しない分も含めて)。 そのことが将来に向けての土地境界管理を容易にし、トラブルを未然に防止するなど我々土 地家屋調査士のはたす役割は重大なものがあるのではないでしょうか。 ![]()
|