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● 地籍図から知る境界の座標 境界を復元するためには、申請地の境界の座標値が必要になる。 当然、1筆地の数値測量を実施している場合はその座標値を閲覧すれば良い事ですが、古 い国土調査の場合は図根点はトランシット測量により数値(公共座標)がありますが、1筆地に ついては図根多角点より平板測量で実施されていますので、法務局に行き法17条地図を謄 写する事から始まります。 また最近、市町村役場の中にはパソコンで管理するために、図解法であっても、市町村役場 が独自に地籍図を読み取り、内部資料として座標を持っているところもありますので、その座 標値を閲覧する手段もあります。しかし、この座標は数値測量によって得られた値ではないと いう事をはっきり自覚しておくべきでしよう。 ● 区郭線交さ記号 法17条地図はケント紙やマイラーの素材で 300 x 400 ミリのサイズ内にほとんどが1000分 の1もしくは500分の1の縮尺で1筆地が集団で表示されており、 300 x 400 ミリを表す線を図 郭線と言い、この図郭線の左下と右上にこの17条地図の座標を示す数字が記載されている。 そしてこの図郭線を基にして、10センチ区切りで区郭線交さ記号(トンボ)が記載されてお り、この記号により17条地図は12ブロックに区画し表示されていると同時に手軽に座標を知 る事が出来るようになっている。 区郭線交さ記号(トンボ)の間隔は、絶対的な10センチ間隔のため、地図の縮尺によりその 表示する距離は異なるが、500分の1であれば50メートル、1000分の1であれば100メート ルをあらわしている。 そのため、申請地近傍と申請地を囲む区郭線交さ記号(トンボ)および石と表示のある図根 多角点の位置を謄写すれば、事務所でデジタライザーや三角スケール等で読み取る事によ り、その公共座標を簡単に知る事が出来る。 ● 謄 写 この謄写については、土地の測量のためであれば、なるべくコピー機やトレース紙の使用は 避けた方が懸命であると思います。 コピーによるものは、コピー時の歪み、その後のコピー用紙自体の伸縮。トレース紙は謄写 した直後は良いのですが、時間が経過するとトレース紙自身の伸縮により思わぬ誤差が生じ ますので、出来るだけ硬質の鉛筆を使用して、フイルムでの謄写をお進めします。 ● 狭い範囲での特殊事例 ただ、狭い範囲であれば、最近は読み取った座標を印字出来るプラニメーターがあり法務局 にも持ち込み可能のようなので、これは17条地図を直接読み取れるという利点が有ります。 ただ器械の性質上広い範囲を読み取ると誤差が生じます。 同じく狭い範囲であれば、コピー機で読み取り、デジタライザーで再度読み取る時、4点補正 をして使用する事も可能になったそうです。ただこれは、先程から述べてきている区郭線交さ 記号(トンボ)が、ほとんど正確に10センチ間隔で切られている地籍図にしか使用が難しいも のと思われます。 ● 補 正 マイラーで作製されたものは別ですが、ケント紙で作製された法17条地図は時間の経過とと もに歪みも徐々に出てきます。 そこで、図郭線の4隅や区郭線交さ記号(トンボ)を使用して、歪みをなくした正しい値に補正 します。 これは17条作製時に歪んでいれば別ですが、図面に表示された近傍の地域と区郭線交さ 記号(トンボ)は大体同じ様に歪むと考えても良いし、先程述べたトレース紙のような極端な紙 の伸び縮みは中にアルミが入っており、それ程考えなくても良い為です。 補正の方法は@2点補正A3点補正B4点補正とあるようですが、この説明については読み 取機により、いろいろらしいので説明は省略する事とします。 ● 図根多角点を読み取る ここで、近傍の図根多角点の印も必ず謄写し、読み取っておきましょう、この印は、図郭線や 区郭線交さ記号(トンボ)のように図上での座標ではなく、唯一現場で座標を持っている物的証 拠と言ってよい点なのです。 この図根多角点の成果の座標値と読み取りを行なった座標値が、ほぼ一致(10センチ程 度)していれば17条地図に正しくプロットされているという事になります。 勿論、アレッと思うような座標のズレがあれば、その図面の中のどこかにおかしい場所があ るはずで、ひょつとしたら申請地かもしれないと慎重に業務を行なう必要が有ります。 ● 読み取りの実際 それでは、現実に17条地図を読み取る事としよう。 読み取り方法については各人いろいろ工夫を凝らして読み取られている事と思う。デジタライ ザー等を使用されていても、実際の方法についてはほとんど一緒であり、説明のしやすい三角 スケールを使用する方法で説明する事としたい。 境界点の座標値については先程説明した区郭線交さ記号(トンボ)と絶対記号の座標値を利 用して読み取る。 この絶対記号の座標値は図郭線の左下と右下の2ヶ所に表示されており、kmの単位で小数 第2位までの表示、つまり10mの単位までの表示となっている。 また区郭線交さ記号(トンボ)の間隔は10cmであるので500分の1であれば50メートルを 表すので図2の112番の(宅地、地積383u95)の土地の境界点の座標値を読み取るには 近傍の区郭線交さ記号(トンボ)の位置にあらかじめ図郭線から座標値を逆算して座標値を鉛 筆書きしておき、X座標については112番の土地の下側(負の方向)の区郭線交さ記号(トン ボ)を基準にしてその垂直な距離を三角スケールで読み取り、その値を区郭線交さ記号(トン ボ)に鉛筆書した座標値を加算する。 Y座標については、愛媛県はほとんど全域で負の地域であるから、112番地の土地の右側 (Y座標の正の方向)の区郭線交さ記号(トンボ)を基準にその水平距離を読み取り、同様に区 郭線交さ記号(トンボ)に鉛筆書きしたY座標の符号を正として加算し、その後加算した結果の 値に負の値を付ければ、符号についての間違いが少ない。 一連の処理につては図3で詳しく記載する。また、三角スケールの目盛りの関係からわざと2 50分の1の縮尺で読み取り、その値を2分の1とする方も有るようです。 ![]() ● 確 認 これで座標値を読み取る事が出来ましたが、果たして正しくよみとれているのかどうか確認し なくてはなりません、最初の数値の間違いにより、とんでもない位置になったり、左右反対の形 状を表示する場合も時々有ります。現場に行ってからではとんでもない事になりますので、ここ で多少の労力を惜しまず必ず、チェックして下さい。 チェックは、今までやった逆をやれば良いだけです、読み取った値をプロットしてみます、そし て区郭線交さ記号(トンボ)もプロットしてみます。そして謄写してきた図面に合わせて見れば、 その違いがはっきりします。もし、違っていたら再度、読み取りから始めましょう。 合致していれば、今度は読み取り座標を基に面積を計算してみましょう。計算した面積が登 記簿の面積とあまり相違が無ければ、上手に読み取れたという事ですし。 かなりの違いがある場合、形状が国土調査の図面と合致して読み取った面積の値がかなり 違うという事は地積更正登記を当然必要とする事となり、この事を頭に入れて現地での対応を する事になりますが、あらかじめ知っておく事により注意深く処理する事が出来ると思います。 ● 図根多角点の座標も読み取ろう 図3で112番の土地の境界点の読み取りの座標値を求めた。 ここでその座標値により112番の土地を求積してみると383u51であった。登記簿上の地 積が383u95であるのでその差0u44であり甲3の精度内にある。これは現地が全然ない 場合、読み取りの位置で全部復元しても、地図にほとんど合致する土地が作製出来るという事 である。ひとまず安心。 だが、現地と読み取り座標位置は必ずしも一致していない、むしろ多少相違している方が本 当だと思って業務にあたれば、それなりの注意力もつこうと言うもの。 また、この際に近傍にある、石と表示のある図根点の座標も読み取っておくと色々便利であ る。 図根点には、座標値があるのだから最初から、市町村に行き座標を貰えば良いじゃないか と思われるだろうう。だがこの座標を持った地点を読み取る事により、その位置の誤差を後か ら正確に知ることが出来るし。後々の市町村での閲覧が楽になろうというものである。 また、市町村の閲覧にいけなかった場合でも、この値を使用して現地で図根点を探索する事 が可能である。 ここでは石に仮に@、A、Bとしておきましょう。読み取った結果は となった、さて今度は国土調査実施機関である市町村に行き、この図根多角点の座標値を閲 覧する訳です。 閲覧にあたっては、図根多角点網図と図根多角点成果簿がありますので最初に網図で112 番の近隣を通る路線を探して、大体この路線のこの辺りという目星をつけた後、成果簿でその 路線の該当の番号の図根多角点の座標値を調べるという手順になりますが、先程読み取った 座標があれば、比較的早く、どの図根多角点か判断する事が出来ます。 国土調査実施機関に行き、多角点網図を閲覧したところ、依頼地近隣の図根点がKK12の 路線であることが解ったので、図根多角点成果簿を閲覧し、KK12の路線の座標値を調査し たところ となり図根点はKK12-8,KK12-9,KK12-10である事が明確になった。 そこで、この図根多角点を使用して国土調査で観測した境界を復元するためには、まず現地 を調査してこの図根多角点が存在を調査し、この位置からの復元となる。その詳しい方法につ いては前回の「伊予の調査士トッポ話」に詳しく記載していますので、興味のある方はご一読下 さい。
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